サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

ナマケモノ師匠、ブレず!!!

ナマケモノ師匠に会いに行った。
一年ちょっとぶりである。
師匠に会い、顔をギリギリまで
近づけてその尊顔をマジマジと
見せていただきたいと考えていた。
目を合わせて私を高次元の世界へ
導いていただきたいと考えていた。
師匠がいるゾーンに入った。
師匠に会う前に亀さんに会った。
亀さんはノロノロと歩いていた。
その先にはなんとアリクイ先生がいた。
ダリが飼っていたアリクイである。
先生はフェンスを上ったり下りたり
せわしなく動いていた。
奇妙なフォルムがチャーミングである。
そしてとうとう師匠の所へ私は辿り着いた。
ナマケモノ師匠は木にぶら下がり
体を丸め顔を隠しながら寝ていた。
師匠はピクりともしなかった。
顔が見えないので知らない人は
なんかぶら下がってるけどーくらいの
印象しかもたなかっただろう。
私は師匠が顔を上げてくれるのを
しばし待ってみた。
しかしピクりとも動かなかった。
爆睡である。
私は諦めそのゾーンを去ろうとした
まさにその時、飼育員の方が
師匠を起こそうとしていたのだ!
師匠はなんすか?的な雰囲気で
一瞬顔を上げたのを遠目で私は確認した。
コレはチャンスだ!!!
私は走った。
師匠のお顔を見るために。
ダッシュ!!!
そして師匠の所へ戻った。
師匠の様子を見た。
オーノー!!!
師匠はまた顔をうずめ寝てしまっていた。
さすがっすね、師匠。
ブレないっすね、師匠。
あなたのそのストイックな姿は
まるでギターソロを拒否する
ジョニー・ラモーンのようです。
ある意味パンクです。
あなたにとっては
肛門哲学も放屁芸術も同義なのでしょう。
私はあなたに憧れます。
また行きますから。
その時は30秒でいいので
そのお顔を見せてください。
私は師匠におぱぱされ
その場を去ったのだった。

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