サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

いすゞ〜のトラッケ〜

テレビッジョーンを観ていた。
いすゞ〜のトラック〜というCMを観た。
ご存知の方も多いと思う。
おなじみのあのテーマソングで
サウンドがちょっとカッチョ良くなり
どことなくパンキッシュに歌う
女ボーカルの方のアレンジであった。
惹きつけるCMで良いと思う。
最後に
「走れ走れいすゞ〜のトラック〜」と歌う。
これに関して一言、物申したい。
最後のトラック〜の「ク」が
「ケ」に寄り過ぎであると。
「ク」と「ケ」の間のような発音であるが
この塩梅がマズイのである。
「ケ」により過ぎることで
最後にカタルシスさえも感じさせることが
できる展開をぶち壊してしまっている。
「ク」にもう少し寄せることで
それは達成されただろう。
現状のバージョンでは最後の「ケ〜」によって
私は全身鳥肌が立ってしまい
気を失いそうになるのだ。
シンガーが悪いのではない!!!
私がプロデューサーならば延々と17時間、
その「ク」を手に入れるために
レコーディングを続けるだろう。
「ク」と「ケ」のその絶妙な間を!
品位を感じさせながら
解放度をギリギリまで上げるその点まで!
延々と歌わされたシンガーは激怒し
家に帰ろうとするだろう。
プロデューサー、フィル・スペクター
呆れて帰ろうとするラモーンズのギタリスト、
ジョニー・ラモーンに銃口を突き付けた。
ジョニー・ラモーンは
「撃てるもんなら撃ってみろ!」と言って
スタジオを離れた。
安心してほしい。
私は水鉄砲を突きつけるだけだ!
妥協は許されないのだ。
己を信じて「ク」を実現させるのだ!!!