サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

性的衝動たる理念

人はタイプによって
5W1Hのどれに最も反応するかが
変わるらしい。
すなわちWho(誰が)、When(いつ)、
Where(どこで)、What(何を)、
Why(なぜ)、How(どのように)の内
どれが最も気になってしまうかが
人により変わるのである。
「俺はWhat(何)に最も反応するらしい。
ミスターセンクスは何だろうね」と
私はTOTTORI DUNES KONAN AIRPORTで
ミスターセンクスにそう尋ねた。
ミスターセンクスは
キッパリとこう言った。
「美女です」と。
「えっ!?!?
それってWho(誰)じゃないの!?」と
私は聞き返した。
ミスターセンクスは
「美女です」と言葉を繰り返した。
「世界中の美女に触れる。
これが理念です」と。
それは「理念」ではなく
「欲望」ではないかと思ったが
私は「それは面白そうだ。
その企てに私も参加しよう」と言った。
ミスターセンクス曰く
世界中の美女は囲われているので
美女を囲っている奴等を
まず牛耳る必要があるとのこと。
その意味で
ジャイキリ(ジャイアント・キリング)を
成功させなければならないと熱弁した。
ジャイキリにより世界を
手中に収めなければならないと。
なるほど!
崇高な理念である。
興奮した私はこう言った。
「それでは美女をジャイキリしよう!」
ミスターセンクスはこう言い返した。
「イヤ美女は
ジャイキリしちゃダメでしょ」
「美女」というワードが
ミスターセンクスワードになりつつある。
ミスターセンクスがその理念(欲望)を
実現する日もそう遠くはないであろう。