サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

位置

位置とはなんなのだろう。
すでに世間で浸透していると思われる
事故物件サイトが存在する。
事故物件に該当する位置には
炎のマークがついており
日本中がメラメラ燃えているのだ。
近くでもこんなことがあったのかと
知ることができたのは
個人的にも衝撃だった。
さらに破産者マップというのもあり
こちらはプライバシー権の侵害だと
大騒ぎになり現在は閉鎖されている。
位置と官報などの公的な情報を
結びつけた組み合わせのアイデア
破壊力がすさまじかったようだ。
物理的に位置は明確に定義できる。
さらに過去に起きた事実というのも
誰が見ても基本的には同じである。
そしてその位置と事実から
何らかの意味性を見出し
どう解釈するかは人間の感性に
関与してくるものである。
偶然と捉える人もいれば
そこに因果関係があると思う人もいる。
お隣の家で数年前に事件が発生し
人が亡くなっているのあれば
それは気持ちがいいものではないが
もっと数十年も前に遡れば戦争の空襲で
一帯が更地になっている可能性もある。
これらは人それぞれにより受け取る
印象が異なるのだ。
一切気にしない人もいるだろう。
物理的に客観的に明確に
定義できるものを組み合わせ、
その組み合わせに対して
人それぞれとらえ方が違うものは
大いにバスる可能性が
あるということである。
意味性が多変的である時
それは世界をおぱぱする。