サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

ミシェ~ルのデッビュー前のライビュッ音源

私はティーンネイジャッーの時
ミッシェルキッズだった。
2003年の解散ライブにも行けた。
ミッシェルガンエレファントという
ドロップがなめつくされたことを
会場で肌で感じることができた。
そんな彼らは1996年にデビューしたが
1994年、1995年のデビュー前の
ライブ音源を聴くことができた。
聴いたことのない曲やアレンジが
少し違う曲もありコーフンヌであった。
こうしてデビュー前の生々しい演奏を
聴いてみると、最後に加入したギタリスト、
アベフトシ師匠がいかにこのバンドに
大きな影響を与えたかが分かる。
ボーカルであり、作詞を担当する
チバユウスケ師匠の歌詞の内容も
明らかに変わってきている。
それ以前の曲はなんというか
もっとリアルに根ざしたというか
それが当時の曲調には
マッチしているのだが
もっと具体的なメッセージ性があった。
しかしアベフトシ師匠加入後は
より散文的というかある意味、
狂気混じりの意味不明な世界、
つまりそれは私にとっては超現実を
感じさせる歌詞の世界となっているのだ。
チバユウスケ師匠の中で当時
大きな影響を与える何かが
あったのかはわからない。
しかし私はなんとなく
アベフトシ師匠の強烈なギタープレイが
その強烈な歌詞の世界観を
誘因したのではないかと感じるのである。
妥協を許さぬ頑固一徹職人気質の
カミソリカッティングギタリストが
チバユウスケ師匠がすでに持っていた
世界観を解き放ったのだ。
そんな気がしてならないのである。
つまりバンド内で
ダダイスティックなサウンド
シュルレアリスティックな世界がぶつかりあい
化学反応が起きすさまじい音像が現れ
日本中のキッズを狂乱の渦に巻き込んだのだ。
パンクに思いっきり影響を受けている
彼らだからこそ、そのようなマジックが
起きたのかもしれない。
アベフトシ師匠は30歳近くで世にデビューし
7年間ミッシェルで大暴れした後、
その6年後にあの世に行ってしまった。
その時系列を思いながらこのライブ音源を
聴いているとなんだか
切なくなってしまう自分もいる。
人生は一瞬のようだ。