サルバドール・エビ

超現実珍談集

偏執狂的批判的方法をわかりやすく

ダリセンセは自分の創作活動の方法を
「偏執狂的批判的方法」と呼んでいた。
センセの定義によれば
「精神錯乱的な連想と解釈の批判的かつ
体系的な客観化に基づく非合理な
認識の自然発生的方法」とのことらしい。
これを読むだけではん??となる人が
多いだろうと思われる。
「偏執狂的」というのは
妄想的で、あることに異常に執着し
精神が正常でない状態である。
「批判的」というのは何かを否定的に
考えることとイコールではない。
「批判的」というのは自分の頭を使って
思考することでそのものを評価、
判断している状態であることを意味する。
具体的な例を挙げてみると
フランスの画家ミレーの「晩鐘」という
作品は農作業をする夫婦が夕方
教会から鐘が聞こえてきたので
下を向き祈りを捧げている絵画である。
https://www.musey.net/12337
しかしダリはこの画を見て
夫婦の死んだ子供が下に埋まっており
その死を悼んでいる画だと解釈した。
そう言われればそう見えなくもない。
これが「偏執狂的」ということである。
そして構図をそのままにしてその夫婦を
骸骨として書いた作品を描いている。
死のイメージを強烈に感じさせる作品で
自分の妄想的な解釈を客観的に評価し
事実化し他者に伝達することが
「偏執狂的批判的方法」ということである。
つまりこの方法を利用したいのであれば
まず妄想的でなければならない。
妄想的になるとはどういうことなのか。
さらに考えてみよう。