サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

完成されぬ感性

感性とはなんぞや。
よくわからぬものである。
人それぞれ違うのは間違いない。
優れている劣っているということは
絶対ないものである。
ただそれが違うだけ。
異なる感性による判断結果が
二つに分かれたとしよう。
多数派と少数派ができたとする。
多数派が少数派に勝るということはない。
少数派が多数派に勝るということもない。
感性というものは暴力的な一面もある。
ジャズ好きにパンクを無理矢理聞かせる。
パンクスにジャズを無理矢理聞かせる。
パンクもジャズも好きな人であれば良いが、
そうでなかったら実に苦痛であるに違いない。
商売も感性に左右される時がある。
それはある程度を越えると割り切りを要する。
たった一人の感性を押し通すことは難しい。
多様性が有効に作用することもあれば、
逆に台無しになることもある。
答えはない。
感性に斬り殺された亡霊達よ。
内に籠り己の感性を炸裂させよ。
感性など神格化するものでもない。
ゴミが好きなんだ。
それでいい。