サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述9

うやむやになった曖昧な事件の裏側で
よろよろと歩く男のひらめきが
街を変えることになる。
呼吸が止まり、呼吸が始まる。
そのちょうど真ん中でひらめきが
待ちくたびれて眠りにつこうとしている。
テクノロジーとアートって何?と
聞かれてそのハザマのことを
50年間考えて白髪になってしまったと嘆く
何もなしえなかった無一文の男も
かけそばを頭にかけて涙している。
オレンジを積んだトラックが横転して、
オレンジジュースハイウェイになりましたと
ニュースキャスターがピアスを耳から
引きちぎりながら話している。
黒々とした眼鏡の中にある眼球は
良く見ると天井を向いていて、その光景が
妙におかしくて笑いが止まらなくなる。
無理矢理を並べたさわやかな男が
五七五百三十八の俳句を詠んで、
冷奴にダイブしてワールドソイソースツアー。