サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

法律家と診断士

地元診断士協会の研修会新年会に参加した。
「事業承継と不動産」をテーマとした
中小企業診断士不動産鑑定士の先生の
講義を拝聴した。
法律の条文整理から事業承継に関して
節税等の有効な施策は何かということが
聴ける大変有意義な講義だった。
いわゆる士業とは法律家のことである。
弁護士、公認会計士、税理士、司法書士弁理士
行政書士不動産鑑定士社会保険労務士等は
それぞれの領域の法律の専門家である。
一方、中小企業診断士は売上を拡大し
経費を削減し利益を創出する経営支援が
主な役目であり他の士業とは異なる。
「診断士だけ異質だよ」と
ある先生もおっしゃっていた。
しかし「法律はさっぱりわかりません」で
済まされるわけがない。
一次試験の「経営法務」だけでは足りなすぎる。
何から何までを頭にインプットするのは
不可能だが概論を出来るだけ理解し、
必要であれば条文を読み込み解釈できなければ
やはり経営支援はできないと思う。
法律の解釈と適用で利益を産み出せるなら
それを知らないのは診断士としても
失格なのではと思った。
やることは膨大であるが、
逆にそれがやりがいがあるのだとも思う。
日々勉強である。

自動記述16

キャットフードにガサゴソと手を突っ込んで
外に引きずり出したら高額当選したにも
関わらず奈落の底へ落ちていった人の
手紙が出てきた。
「あなたにはやることがあるでしょう」
「ただそれをやるだけなのです」
「お金は死んだら私が使い切れぬほど
あなたに与えます」
面白くなってきたので次は
ドッグフードにも手を突っ込んで
中のものを外に引きずり出してみる。
手を突っ込むとワンワンと吠え出して
手を噛まれて慌てて手を引っ込める。
手に怪我をしたと思い手を眺めると
幸せそうな犬の顔に手が入れ替わっていた。
「今日からご主人はあなたです」
「エサは一日二回で結構です」
やれやれ今日からコイツと寝なくてはならないと
思うと笑いが込み上げてきて眠れない。
キャットフードの中にも猫がいたのかもしれない。
でも心が曇ってたから手紙しか出てこなかった。
犬と猫のように生きなくては。
足して2で割って焼酎を水割りで。
涼しい風が吹いてきた。

Going to Pure Hell by Death

70年代の初期パンクという音楽が好きだ。
パンクという音楽は白人発の音楽だが、
メンバーが全員黒人という大変珍しいバンドがいる。
Pure Hellというバンドで正真正銘のロケンローで
まさに血が逆流しそうな激情パンクである。
彼らが史上初の黒人パンクバンドだと思っていたら
なんとPure Hellよりも早くから活動していた
黒人だけのパンクバンドがいたことを
新年に入ってから知った。
Deathというバンドである。
7インチシングルを自主制作で
500枚リリースしただけで歴史から
その姿を消したが、なんと30年以上経ち
再評価の機運が高まり音源がリリースされ
再結成も行いライブも行ったとのこと。
さらにドキュメンタリー映画も制作されたようだ。
A Band Called Death | Akari Films
そんなことってあるのー!?と言った感じだ。
驚きである。
形が残るものは評価される機会が残存する。
何が起こるかわからないものだ。
これは企業の作った製品も同じだろう。
復刻が待ち望まれているものを調べるのも
面白いかもしれないと思った。

陛下からのお声がけ

企業診断ニュース2019年1月号が届いた。
パラパラっとページをめくっていると
思わず手を止めてしまうすごい記事があった。
中小企業診断協会の福田前会長が
園遊会のお招きを受けた時のエピソードである。
前会長は雨が降っていたので傘をさしていたが
陛下が近くに来られたので、
無意識のうちに傘をたたんだところ
陛下が歩み寄られ
「濡れますので、傘をおさしください」と
おっしゃってくださったとのこと。
さらに胸の胸章を見て
中小企業診断協会ですか」とおっしゃった。
福田前会長が
「中小企業の経営のお手伝いをしております」と
答えると、
「大変なお仕事ですね」とお気遣いをいただき
福田前会長が
「ありがとうございます。頑張ります」と言うと
陛下が「ご苦労様です」と
やさしく微笑まれたそうだ。
福田前会長が天にも昇る気持ちとは
このようなことをいうのでしょうと書いている。
そのシーンを想像するだけで
ジーンと来るものがある。
現在、中小企業経営支援をしていない
企業内診断士であるが、今後の方向性を定めて
徐々にアクセルを踏んで行きたいと思う。
新年を迎えるにあたってポジティブで
前向きにさせてくれる良い記事であった。

慣習経済

「慣習経済」という言葉があるのかは知らないが
慣習により購買を行う活動は慣習経済活動である。
例えば年賀状もそうだ。
現代ではメールを超えて映像も瞬時に送れる
世の中であるが、それをせずにハガキを送るのは
それが慣習であるからだ。
年賀状は形として残るし
お互いの近況や家族の様子をサラッと
伝え合うのにはいいものだと思う。
妙なワクワク感もあってイイ。
しかし必要ないと割り切って辞めてしまった人が
いても仕方がないかもと思う自分もいる。
コストと手間もかかるからだ。
慣習というのは技術革新や時代の流れに
晒される宿命にある。
慣習が生き残るには何らかのその慣習にしかない
メリットが存在しそのメリットがデメリットに
打ち勝っている時に慣習は存続する。
そして仕掛けなくても経済が動くわけだから、
慣習の取り巻きには利権が存在するはずだ。
その慣習を揺るがすような何かが起きた時、
抵抗勢力としてその利権は動くだろう。
慣習というものは商売のチャンスでもある。
その慣習そのものを揺るがすことであれば
尋常ではない抵抗があり途中で挫折することも
多いかと思われるが、慣習そのものにダメージを
与えずその慣習を行うことに対して
何かしらのメリットを提供できれば
大きな利益を得ることも可能かもしれない。
こんなことを言っといて
具体的な例を全く思いついていない笑。
「これって慣習だよな」と思った時が
チャンスなのかもしれない。
そんな時は一度考えてみよう。

完成されぬ感性

感性とはなんぞや。
よくわからぬものである。
人それぞれ違うのは間違いない。
優れている劣っているということは
絶対ないものである。
ただそれが違うだけ。
異なる感性による判断結果が
二つに分かれたとしよう。
多数派と少数派ができたとする。
多数派が少数派に勝るということはない。
少数派が多数派に勝るということもない。
感性というものは暴力的な一面もある。
ジャズ好きにパンクを無理矢理聞かせる。
パンクスにジャズを無理矢理聞かせる。
パンクもジャズも好きな人であれば良いが、
そうでなかったら実に苦痛であるに違いない。
商売も感性に左右される時がある。
それはある程度を越えると割り切りを要する。
たった一人の感性を押し通すことは難しい。
多様性が有効に作用することもあれば、
逆に台無しになることもある。
答えはない。
感性に斬り殺された亡霊達よ。
内に籠り己の感性を炸裂させよ。
感性など神格化するものでもない。
ゴミが好きなんだ。
それでいい。

ツイスティン・ダリ現る

妻が誕生日プレゼントとして
ダリのDVDを頼んでくれた。
それが届いたので興奮しながら開けたところ、
オリバー・ツイスト」というDVDが入っていた。
一瞬コレがいわゆる「超現実」かと思ったが、
冷静になり、送り先に電話をしてみた。
間違いであり在庫がないので返金し、
オリバー・ツイストは処分願いますとのことだった。
この短期間の内に在庫がなくなった?
さすがダリ先生。
まさに「ツイスティン・ダリ」であり、
ダダイズム的経営である。
錯乱気味に分析すれば、着払いでも顧客に
返送させるという手間をかけさせることで
インターネットのプラットフォームに低評価を
つけられることを恐れたため
そのまま処分してよいと判断をしたのだと思う。
なかなか厳しい業界である。
出荷費用とDVDの仕入れ費用の損失より
低評価をつけられる方が損失になるのである。
もちろん容赦なく低評価をつけることもできた。
しかし私はそれをしなかった。
ダダイズム的経営」というクレイジー
ワードをひらめくことができたからだ。
ありがとう!オリバー!
またとち狂った出荷を頼むよ!
ダダイズム的経営万歳!!!