サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述16

キャットフードにガサゴソと手を突っ込んで
外に引きずり出したら高額当選したにも
関わらず奈落の底へ落ちていった人の
手紙が出てきた。
「あなたにはやることがあるでしょう」
「ただそれをやるだけなのです」
「お金は死んだら私が使い切れぬほど
あなたに与えます」
面白くなってきたので次は
ドッグフードにも手を突っ込んで
中のものを外に引きずり出してみる。
手を突っ込むとワンワンと吠え出して
手を噛まれて慌てて手を引っ込める。
手に怪我をしたと思い手を眺めると
幸せそうな犬の顔に手が入れ替わっていた。
「今日からご主人はあなたです」
「エサは一日二回で結構です」
やれやれ今日からコイツと寝なくてはならないと
思うと笑いが込み上げてきて眠れない。
キャットフードの中にも猫がいたのかもしれない。
でも心が曇ってたから手紙しか出てこなかった。
犬と猫のように生きなくては。
足して2で割って焼酎を水割りで。
涼しい風が吹いてきた。