サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

全画集の威力

ダリ先生の全画集をゲットしてみた。
ノリでタイトルをサルバドール・エビと
つけただけであったのに、その世界に
引きずり込まれてしまったようだ。
ダリ先生の魅力は一言で語れないが、
アカデミックかつアバンギャルドな点が
魔力を倍増させていると思う。
英語版で780ページ。
全画集はとんでもない威力があった。
その人が産まれて死ぬまでの作品が
全て収められているからだ。
ダリが生きた84年間、日に換算すれば
30,949日がぶっ詰まっている。
正確には1910年の6歳の時から
最愛の妻ガラが亡くなり元気を失くし
制作をやめてしまった1983年5月までの
73年間に制作された作品が詰まっている。
年を追って解説とともに画が載っているので
順に読み込んでいこうと思う。
天才を演じきれば天才になると言い
数々の奇行で有名なダリだが
それははっきり言ってマーケティング
セルフブランディングのためであり、
それはそれでエンターテイメントとしても
かなり面白いのだが、それよりも
芸術家として画にひたむきに向き合った
一人の男の生涯にガツンとやられるのである。
本当に人生はあっという間だ。
一冊の分厚い本にすでにこの世にはいない
一人の人間のアウトプットが
全て納められているという事実が
自己の何か根源的なところを揺さぶってくるのだ。
ゴミであろうがクソであろうがなんであろうが
まき散らすのが正道である。
そして全公開しなければならない。
吟味などする必要もない。
なぜなら人生は一瞬であるから。
ビリー・チャイルディッシュが言うように
浮かばなければサカサマにすればいい。
まき散らせ。