サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

キレた男(2)

Kはこの映画について調べ始めた。
「作者はこいつか。」
Kは作者の名前をコピーし、メモに貼り付けた。
「こういうのを作ってるヤツはまだ他にいんのか。」
Kはインターネットで様々な情報を集め始めた。
理由もなく人が殺されていく小説や映画を
片っ端から調べ上げようとしていた。
その著作がどれくらい売れたのか、
どれくらい有名なのか、
どれくらい人々に影響を与えたかについて
独自の統計を取り始めた。
カチャカチャカチャ。
作業は連日深夜に及んだ。
そして遂にデータは完成した。
「出来た。」
Kはそのデータを自分が設定した影響力順に
ソートをした。
「上から30だな。」
Kはその30人を皆殺しにすることにした。
途中で逮捕されることがないよう綿密に計画を練った。
そして計画は速やかに実行された。
3日間のうちに次から次へと30人が殺害された。
その内の1人は海外へ行っていたので、
変わりに31番目の人間が殺された。
数々の著名人が次から次へと殺されるという
前代未聞の事件に大騒動となった。