サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

キレた男(1)

会社員Kはアパートで一人暮らしをしている。
ペットを飼うことは禁止されているが
猫を一匹飼っている。
Kはいつも通り仕事を終え、
家でビールを飲みながらコンビニの弁当を食べていた。
Kは特にすることもなくテレビを見ていたところ、
ニュースが終わり映画が始まった。
何気なくそのまま見ていたその映画は
突然何の理由もなく人々が
殺し合わなければならない状況に
追い込まれ殺し合いを始めるというものであった。
Kは弁当を食いながらぼーっとその映像を観ていた。
人々は次々に死んでいった。
老若男女構わず死んでいった。
それは目に余る光景だった。
突然Kは両手をテーブルに叩き付けた。
ドカン!!!!!
コンビニ弁当は吹っ飛び、ビールの空き缶が転がった。
猫は突然の音に驚いてニャンとだけ言って
違う部屋に行ってしまった。
「ふざけやがって。」
Kはインターネットを開いた。
カチャカチャカチャ。