サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

イルミネーション・ジャズを鳴らしておくれ

街に流れる川でキャンドルを流す
イベントをやるっちゅうことで街へ。
集められた大勢のコドムォッタチは
順番に自分たちのつくった
手作りキャンドルを川に流したのだった。
地域のイベントとしては
コドムォッタチの思い出に残る
良いものだったと思う。
我がふるさとはジャズの街として
町おこしをしている。
そのイベントでも生のジャズを
演奏しているおそらく
地元のジャズバンドのおじさん達がいた。
「枯葉」を演奏していた。
他の曲も往年のモダンジャズなどである。
寒さと相まって良い雰囲気は
もちろん出るのだがヱビ的感性は
反応せずむしろ違和感を覚えたのだった。
私が知らないだけなのかもしれないが
決まってこういう時に
この街で演奏されるジャズは
1940年代に発生したモダンジャズである。
はたしてそれでいいのだろうか。
枯葉を演奏しているだけでは
文化は枯れるのだ。
キラキラした街に合わせるかのように
イルミネーションのようなジャズを
鳴らしてやろうと
思わなければ文化は前進しない。
そんなこと言ったって
ジャズの生演奏が鳴っているだけ
いいじゃないと思う人もいるだろうが
ギョーザ喰ってその後バーで
枯れたジャズを聴きながらカクテルを
飲むだけでは人生は枯れていく。
本当の意味で町おこしをするには
アリモノを少しでも進化させようという
意識をもつことが第一命題である。
ジャズが演奏できるおじさん達が
単に多い街では転がりようがない。
むう。
この街が化けるには
高いハードルがありそうである。