サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

キッチン・イズ・アトリ~エッ

ベルギーのシュルレアリスト
ルネ・マグリットはデペイズマンの手法を
使用した代表的な画家である。
彼の画は見る人をドキッとさせる。
しかしマグリットはダリとは正反対の
平凡なライフスタイルを送っていたそうだ。
幼馴染の妻とアパート暮らしで、
専用のアトリエももたずに台所で
イーゼルを立てて画を制作していたらしい。
服を汚したり床に絵具をこぼすことなく
手際よく画を書いていたらしい。
奥さんが晩御飯を作っている横でせっせと
不思議でMADな画を書いていたのだろうか。
何とも良い話である。
ダリ先生のように「なんでそうなるの!」と
突っ込みたくなる人生も面白いが、
そんな小ざっぱりした
マグリット先生の人生も素敵である。
やる気になれば大それたアトリエや
スタジオや機材などなくたって
表現活動はできるということだ。
我が地元の宇都宮美術館には彼の代表作、
「大家族」がコレクションされている。
6億円(600万ドル)でゲットしたらしい。
この画キッチンで書かれたんだよな~と
思いながら観るのもおつなものだ。
小市民万歳!
お湯を飲め!
台所でシャウトしろ!
ビバ・ビッグ・ファミリ~!
ルネッサ~ンス!マドリ~ドッ!