サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

独創は伝統に依拠する

「ダリとの対話」という古書を読んだ。
フランスの詩人・作家・評論家である
アラン・ボスケとの対話集である。
対話の中でダリが
「なにか独創的なものをもたらしてくれるのは
伝統だけなのだ」
「反抗に価値があったのは、
伝統を若返らせたでしかないことに気づくのだ」
と言っていた。
まさにその通りだと思う。
伝統主義者になる必要はないが、
伝統を知り理解しなくては独創などあり得ない。
論語で言うところの温故知新である。
上っ面のトレンドだけを追いかけてはいけない。
アカデミックなものを学び泥臭い実践も行う。
当たり前のことだが当たり前のことが意外と
できていないのではないかと思う。
伝統という膨大な蓄積に
呆然とすることも多々あるが
それでも原則に則り前に進むしかないのである。
独創的なものなど一人の人間が人生で一発
打てるか打てないかくらいの困難なものだ。
しかしひるんではならない。
謙虚に狂え。
ノイズ!ノイズ!ノイズノイズノイズノイズ!
ビバ人類である。
デューン