サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述8

燃えていく。
燃えていく。
後ずさりするくらい燃えている。
前かがみになって泣いている。
それでも時は過ぎ去っていく。
これでもかというくらい打ちのめされる。
隣人を信じられなくなる。
家の中に閉じこもる。
あなた以外は信じられない。
それだけでいいと世界が思う。
草原の動物が静かに眠りその時を待つ。
記憶の存在意義が明らかになり、
知識の無意味さが露呈される。
五感を拠り所に感じるままに
目の前の幻想を振り払っていく。
雨の音を子守唄にしながら
ナマケモノのようにのろのろ動く。
山に風が衝突して木っ端微塵。
更地に湖が出来る。
マグマでほどよく温められた泉に浸かり
全てを忘れ去る。