サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

DEAI DE AI

出会いでAI。
アカペラインプロビゼーション
これを論じよう。
テクノロジーによって
セックスはインスタントラーメン化した。
「運命」というものは引きちぎられ
無残に道に転がっているのだ。
クルマを走らせよう。
運命という惨殺死体がそこら中に
転がっているぞ!
こんな有様を誰が予想しただろう。
姫達はそれでも王子を待ち続ける。
妄想にまみれながら
インスタントラーメンをすすり
インスタントセックスのことばかり
ひたすら考え続けるケダモノしかいない
この世界で。
私は涙する。
インスタントティアドロップ入りの
珈琲を飲みながら。
自動車にひき殺されたタヌキと同様
人間存在にとって重要な「運命」も
同じ運命を辿ったのだと。
テクノロジーを駆使した
セニョリータ達は次から次へと
現れる幻想にMOTTO MOTTO!と
前のめりで足元にある地獄行きの穴に
気付かずに足を進めようとする。
この現象を目の当たりにして
私は我が娘達のことを思う。
ハンバーガーを食べながら
ハンバーガーのような精神性を
見抜ける感性を身に付けるんだよと。
子供達よ。
まだこの世に現れぬ子供達よ!
君達の人生はインスタントなものではない。
永遠とも感じられる諸現象に
立ち眩みしながら私は無残に殺された
運命タヌキを回収する。
いつまでこんなことを繰り返すのだ!と
絶叫しながら私はインスタントコーヒーを
ブチまけたフロに入り
冷静さを取り戻すのだ。