サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

ミック・コリンズと飲んだ思い出

米国デトロイトの怪人Mick Collinsが好きだ。
彼が率いたバンドは幾つもあるが、
The GoriesとThe Dirtbombsは
特筆すべきバンドである。
今回はゴリーズについて書こう。
ゴリーズはなんでそんな音が
ぺなぺななの~!?!?と
突っ込まずには入られないガレージロックで
どうやってもそのように弾けない感は
唯一無二であり、かつあれだけプリミティブで
踊れて叫べる音楽を私は知らない。
彼はしばらく来日していないが
2004年にダートボムズのライブで来日した。
このチャンスを逃すまいと私はチケットを買い
新宿ロフトのステージの最前列で
超絶発狂した後、興奮冷めやらぬまま
私と知人は楽屋に飛び込んだ。
ミックは面白がってくれたのか
そのまま新宿ロフトのバーステージフロアで
行われる打ち上げにも参加しなよと
言ってくれ何と一緒に飲むことができたのだ。
かなり舞いあがってしまい、
何を話したか記憶が定かではないが
「どうしてゴリーズはあんな感じになって
しまったんすか?」と聞いてみた。
ミックはこう言った。
「お互いやったことない楽器を
やってみたんだよね」と。
なるほど、あのクソ素人感、
技術0%でも情熱200%!の音像の理由は
そこにあったのかと感心したものだ。
ラクルを起こすにはそういう発想が必要だ。
企業であれば、営業を製造に、
経理を営業に、製造を経理に!であろうか。
ミック・コリンズはなんでもありなのだ。
日本が大好きでアニメオタクでもあるらしい。
ゴリゴリのガレージロッカーがアニメオタク。
目指すはその領域である。
そういったミック・コリンズの感性、柔軟性、
ぶっ飛び案をそのままやってしまうところを
私はすごく尊敬している。