サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

コトバのあやちゃん

言葉の綾。
誤解を招いた時にその言葉は放たれる。
放たれた鼻垂れ小僧が大好きな
コトバのあやちゃん。
言葉の綾という言葉は
AMBIGUOUSを想起させる。
カッタカナでアンビギュアス。
両義的な、曖昧なを意味する。
「彼女は泣きながら走る彼を追いかけた。」
泣いているのは彼女なのか彼なのか。
この文だけでは両方の意味で解釈できる。
つまり言葉の綾はアンビギュアスなのだ。
「アンビギュアス」を良く見ると
「アス」が隠れている。
紛れもない肛門である。
しかしアンビギュアスな肛門など存在しない。
VUCAの時代のAはAmbiguityであるが
曖昧なこの時代においても
肛門は不変であり唯一の存在である。
アンビギュアスな放屁となれば
話は違ってくる。
鼻垂れ小僧とコトバのあやちゃんの放屁は
サイマルテイニアスに起きることで混ざり合い
アンビギュアスなものになる。
放屁が視覚化されたとしても
サイマルテイニアスな放屁であれば
キラキラ光る見事な色彩の放屁となるだろう。
完全犯罪として成立するということだ。
鼻垂れ小僧も泣いている。
コトバのあやちゃんも泣いている。
曖昧なこの美しい幻想を私は
胸に秘めながらアンビエントな夢を見る。
言うまでもなくそこにアンビバレントな感情は
存在しないのである。