サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

存在と変容

全ての人間はどんなに頑張っても
この世の物事の0.1%も知らずして
その生涯を終えるだろう。
例えば毎日10時間読書をしたとしても
一切読まない人間と比較したら
その差はないとはもちろん言えないが
もっともっと大きな世界をイメージして
2人を比較したとすると大差はないのである。
ニンゲンとはそういうものである。
つまりどれだけインプットに躍起になって
命を削ってもそのような結論に
帰結される運命にある。
しかしニンゲンとして産まれたからには
それだけで終わってしまうのは
何とも虚しい気分である。
ニンゲンとして存在するなら
ニンゲンは無限の時間軸の中において
変容点とならなくてはいけない。
変容とは何か。
Aと聞かれてBが答えだとしたら
Bと答えてはいけないのである。
その事物の裏の裏の裏をかいて
一度焼却し灰にした後
それを再び構築しAでもあり
BでもありさらにCでもある
回答をするべきなのである。
それを変容という。
つまりあなたがインプットをする理由は
変容点としての人間存在の力を
増大させるためであり
それを意識しなくてはいけない。
まさにその意味で事物は自己本位的に
存在しているのである。
これらを見て人は時にそれを
「煙に巻く」と言ったりする。
煙に巻いてしまえばいいのだ。
存在するならば変容させよ!