空飛ぶ回遊魚
目的もないのに追い詰めるから
無理が来てしまうことを後で悟っても
着陸態勢なんかとらないで。
飛行して100年。
着陸する時は胴体そのまま滑らせる。
皮膚は熱いかもしれない。
それよりハートの熱さが勝るのだ。
着陸したらそのまま離陸の滑走路へ。
飛行することが休息であり
私は空飛ぶ回遊魚なのである。
飛行しながら所有する全ての書籍を
バラバラにして地上へ放り投げる。
バラバラになった紙片に書いてある
文字を飛び飛びに読みながら
そのストーリーに涙腺を崩壊させる。
書籍と書籍が繋がって
めくるめくの世界がまた広がって
所詮書籍なんてものはそんなもので
私はより太陽に近い状態にある。
鳥たちが私についてくる。
アイコンタクトで行き先を決める。
空気が地上のように感じられて
そう結局飛行というものも
そんなものなのだ。
我々の勘違いをひっくるめて
マグマの上をぐるぐる回る。
手っ取り早い消去に戸惑いながらも
己の生命の鼓動を感じる限界まで
低空飛行をする。