サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

位置について、用意、ドン・コルレオ~ネ

いちについて、よーい、どん!は
位置について、用意、どん!らしい。
位置はまだしも、よーいが用意だったとは
まさに用意周到と対極の世界に住んでいる
超現実主義者にとっては晴天の霹靂であり
今までよーいをただの掛け声だと
信じていた私は身に染みた多神教的アプローチで
またそれを飲み込まなければならないのだ。
子どもが位置について、用意、ドーナッツ!と
言っていた。
それは何だいと聞くと
ドーナッツだからスタートしてはいけないと。
なるほど。
それなら位置について、用意、
ドン・コルレオ~ネ!でいいではないか。
どん!と最初に言ってしまっているので
子ども達は全力でゴールまで
走って行ってしまうだろう。
ゴールにはドン・コルレオ~ネが待っている。
心配することはない。
我々に危害など加えたりしない。
ドン・コルレオ~ネは一般市民の家族の絆を
感じその光景に微笑を浮かべるだろう。
それと同時に背負った宿命を
改めて腹の中で感じるのである。
まず「位置」につかねばならない。
位置の定義がブレるならば
「用意」をしてもムダである。
あなたはドンになれない。
つまりそういうことなのだ。