サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

ナマハゲの真髄

多くの日本人は「ナマハゲ」のことを
勘違いしているかもしれない。
男鹿半島の民俗行事であるナマハゲは
晦日に行われる。
晦日であると知らない人は
多いのではないだろうか。
「悪い子はいねがー」
「怠け者はいねがー」と
子どもを泣かせているナマハゲは
「鬼」だと思っていないだろうか。
ナマハゲは「神」である。
実際は来訪神、訪れ神である。
そしてナマハゲの真髄は
子どもを泣かせることではない。
連れて行かれそうになった子どもを
親が引き止め抱きしめてやることが
その真髄である。
親子の絆、家族の絆を改めて
感じることがその真髄である。
ナマハゲは福をもたらす。
さらにナマハゲは地区ごとに顔が違う。
それぞれの地区でオリジナルのお面を
製作しているので我々がイメージする
お面は石川面と呼ばれる面彫師の
職人さんが彫ったものである。
ナマハゲ面彫師は一人しかいない。
従って行政などのPRで出てくるお面は
石川さんのお面ということになる。
知っているようで何も知らないことが
この世にはたくさんあるのだ。
取材に行かなければ知らぬまま
あの世に行っていたかもしれない。
奥深き奥深き世の中である。