サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

筆頭株主なのに平社員

トーキョーマスターコースの事業承継の課題で
社長の長男に自社株を贈与し
承継を行うという事例があった。
長女の夫もその企業で働いており
その処遇をどうするかということで議論になった。
年上でもある長女の夫の処遇が適切でないと
やる気がなくなってしまったり
最悪辞めてしまうことにもなる。
本人の意向にも沿った適切な処遇を
考えることは重要である。
課題であるのでその人の人となりが
不明なのでいくらでも案は出せるのだが
通常であれば長男の片腕として
将来的に副社長やら専務やら常務やら
その辺りの重要ポストを担っていただくのが
妥当な案であろう。
超現実的に考えればまた別の案が浮かんでくる。
長女の夫は社長にしてしまうべきである。
そして自社株を贈与された社長長男は
平社員に降格である。
筆頭株主平社員として
その超現実的なポジションでいかんなく
実力を発揮していただきたい。
お望みであれば筆頭株主バイトとして
リスタートしていただいても結構だ。
筆頭株主平社員である長男は
社長になった長女の夫に罵倒される。
「君は何をやっているんだ!!!」
「すいません。すいません。すいません」
すいませんしか言わない長男。
「俺は筆頭株主なんだぞ…」
そんなことは絶対口に出してはいけない。
男とは美学なのである。
美学なき男は筆頭株主平社員として
成功をおさめることは到底できない。
頑張れ長男!