サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

最終課題の事業承継

トーキョー診断士協会のマスターコースも
もうすぐ終わりである。
あっという間の一年間であった。
マスターコースでは課題が出されるが
今回が最後の課題であり
テーマは「事業承継」だ。
昨年、事業承継税制は大きく改正された。
事業承継を円滑にするために
10年以内に事業承継を行う者を対象とした
特例措置が設けられた。
相続する株式の納税猶予割合が
80%から100%になった。
これからは基本、一般措置でなく
特例措置を利用するようになっていくだろう。
事業承継税制は相続時だけを
見ればいいのではなく承継してからも
何年も経過を見なければならない。
法改正を追いかけることも非常に大変だ。
何か間違いがあれば大きな損害が発生し
専門家にとっては訴訟リスクも高まる。
事業承継税制適用を回避したがる
専門家も少なくないらしい。
支援実務者にも対応しやすい制度が
絶対的に必要だなとも思った。
事業承継税制は調べていくと
この税制は基本的には税金の免除ではなく
納税猶予がベースであることがわかる。
経営というのは良い時もあれば悪い時もある。
たまたま絶好調の時に相続が発生し
多額の相続税をキャッシュで払うことは
やはり問題になることも多いだろう。
企業は社会の公器であると言われ
雇用も生み出すので相続が発生したという
事由で企業が潰れてしまうのは
明らかに社会的にマイナスである。
相続税そのものに対しても考えさせられる。
富の再分配機能としては有効であるが
一方、相続税を廃止した国もある。
法律をかいくぐり税に関する有効な
国際的戦略立案を行う専門家もいるのだろう。
事業承継、相続は特に人の死に関する
案件であるため論理だけでは物事が
上手く進まない一面もある。
なかなか複雑怪奇で
一筋縄ではいかぬ世の中である。