サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

社会性というふりかけ

ある企業を視察した時のこと
社長さんが自らの経営理念や
これまでの自社の歴史を語ってくれたのだが
その時に「社会性というふりかけ」をかける
とおっしゃっていた。
この企業のことを具体例としてあげると
かなり特殊なことをやっているので
すぐわかってしまうので言及は避けるが
どういうことかを説明したい。
世間から知られるということは
企業としては当然だが大切なことだ。
誰も知らない企業の製品やサービスよりは
名前を聞いたことがある企業の方が
買う側も安心感があるだろう。
プラス、その企業がわかりやすい形で
社会に対して貢献していることが
世間に知れ渡っている場合はそれも
購入の動機に繋がることがある。
例えば環境汚染に対して取り組んでいるとか
飢餓問題に対して取り組んでいるとかである。
その取り組みが製品やサービスと
直結していればさらに望ましい。
そしてそういう活動をしていると
メディアが取材を申し込んでくる。
メディアは話題性を求めているので
わかりやすい形で社会貢献をしていると
それを世間に伝えようとしてくれる。
つまり世間に認知させるコストを払わずに
メディアに取り上げてもらえるということだ。
もちろんそれよりも前に
製品やサービスの質の追求が重要だが
社会性を意識して経営活動を行うことも
大変重要であることを学んだのだった。