サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述25

過去の逆再生が始まるぞ!
未来は過去の逆再生になるぞ!
そう脅された精神病を患う現代人に
現在の永遠循環とどっちを取るかを
選ばせる神秘主義者の専攻は
物理化学であり法医学である。
サンダルを履いて砂漠を走る
ガッツある男の誇りは必ず走る先に
オアシスが存在していることだ。
蜃気楼は必ず現実となり
蜃気楼に辿り着いた瞬間に蜃気楼を
消し去ることもできることを
多くの人間は知らない。
水が凍りながら沸騰し
雪が火を吹いている。
絶対零度の炎で炙られた五右衛門風呂で
絶対的な安堵でため息を吐いた全裸の女が
これから一度に吸う煙草の本数について
あれやこれやと思考を巡らしている。
その醜さに憧れた幼稚な青年は
多少の人生をこれから犠牲にすることで
揺るぎない信念を獲得するのだから
そこはあたたかく見守るべきなのである。