サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述24

寒気が流れ込んで服が凍る。
暖気も流れ込んで服が溶ける。
乾燥が進み咳が止まらなくなるので
滝に打たれようと決意した狂気の男は
向かう途中チーズの湖を発見して
ワインをぶちまけて転がりまわっている。
ノートを開くと白紙のページに
自動記述が書き込まれていくのを見て
誰が書いているのかを考えながら
それは死者であると結論に至る。
死者の自動記述でその死者の人生が
理解でき共感を覚えようとしたが
それはつまり自分が死者であることを知り
まるであの映画のようだねと笑いながら
記述が終わるのを待っている。
傾向と対策ということで
トレンディーなストラテジー
デストロイするデストロイヤーの
山陰地方のドロッセルマイヤーが
素敵な贈り物を準備している。