サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述23

赤と紫、黄と緑、青と黒。
細やかな色彩はドアの向こう側に。
地図に目を近づけておでこを地図に当てる。
目をかっぽじってさらにおでこを近づける。
おでこから血が出るとそこから真っ赤な
夕日と山岳風景が広がってきた。
家から一歩も出ないのに素敵な風景。
夢と現実の境目など最初から
存在していないのにもかかわらず
人間は区別をしたがる。
犯罪者は一斉にしょっぴかれ、
一つのスタジアムに押し込まれる。
選別されて処置される。
憎しみのボタンが無数にあるから、
ランダムにつながったそのボタンを
押しまくる制裁屋が最後には悲しくなって
シャットダウンするために山に閉じこもる。
箱に入ってしまうと外からは何も見えない。
救えないものをどう救うか。
ひたすら考えた革命家は箱を解体した。
透明である不条理に押しつぶされそうに
なりながら一応は皆幸せそうである。