サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

国宝企業

「国宝企業」という言葉が浮かんだ。
日本は世界に比べて長寿企業が多く、
老舗大国と言われている。
国家に対して税を納め、
社会に対して長年に渡って
貢献してきたのであるから
国宝企業というものがあっても
面白いかもしれない。
「国宝経営」という本があったら
そこそこ売れそうな気もする。
しかし経営というのは
未来に向かって進んでいくもので
流動的なものでもあるため、
そういう認定のようなものは
難しいところもあると思う。
以前、文化財研究所を取材したことがあるが
文化財と物の違いは、人がそれを
文化財」とするかしないかであって、
当然だが物質的な違いは一切ないそうだ。
「認定」というのは人の判断が介在する。
国宝級という言葉もある。
国宝「級」だから国宝ではない。
しかし何かしらの価値を
見出されているということだ。
物の真の価値を認識、理解することは
想像以上に難しいことだ。
自分が気付いていないだけで
世の中にはものすごいものが
山ほどあるんだと思う。