サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

自動記述2

三日月と満月の夜が同時にやって来て
薄笑いと苦笑いしている女達が
打ちのめされたテレビを
消したりつけたりしている。
カステラを溶かした酒を浴び、
たむろしている夜の亡霊に
火炎放射器をぶちまける。
緑と紫を混ぜたような顔をして、
夜の新聞記事を読み漁る。
探偵は牢獄にぶち込まれ、
犯人は裁判官になりすました。
飛行機が家中を飛び回り、
部屋中のものに衝突しては
オレンジの光を放ち消滅する。
声に出したつぶやきが
世界に拡散され、
凍った背筋が解け始めた。