サルバドール・ヱビ

超現実珍談集

未完の問題作だったんかい

ハイデッガーの「存在と時間」の入門本を読んだ。
難解で有名な本であるので、入門編と言えども
分かったような分かっていないような感じである笑。
現存在→実存→世界内存在→気遣いの構造→
決意性+先駆性→時間性という流れで
論が展開されたことは分かったが、
一つ一つ語れるかと言えば無理である笑。
存在と時間」は実は未完の著作だ。
三篇で構成される予定だったが
一篇で終わってしまっている。
どのように二篇以降の議論を進めようと
していたかは、はっきりと分かっていないらしい。
日本の哲学者である木田元
予定されていた二篇、三篇を含んだ全体像を
構築することを試みたらしく、
木田氏は「存在と時間」を未完の失敗作と
断言しているとのこと。
20世紀最大の問題作と言われながら、
一方で未完の失敗作とも言われる「存在と時間」。
尋常ではない吸引力があるのは確かだ。
「死の哲学」とも言われるハイデッガー哲学だが、
人は必ず死ぬので時間的制約がある。
私にとって彼の哲学を研究することが
最優先になることはないが、
折を見てまた彼の哲学に触れたいと思った。
問題作に切りかかった木田氏も気になるところだ。